【50代女性】痛かった記憶もいい肥やし

 私は小さい頃、家庭環境が悪かった。でも心はいつも母をかばっていた。親の都合で、小学校で1回、中学校で2回の転校をしている。 なので、中1、中2、中3と全て違う学校へ行っている

 校内暴力や暴走族…といった、1980年代『金八先生』が流行っていた頃。中学3年では、女子リンチの的になった。1対3で髪の毛をつかまれて、ボコボコにされた。

 自分で言うのもなんだけど、私は優しくて面白い性格だった。母親に心配をかけたくないので、顔を見せなかった。

 仕返ししようとも思わなかった。妬みやっかみをかい、私を嫌う人は結構いる。そう感じた瞬間にその場からは離れる。

 その代わり、私を好いてくれる人は、心から好いてくれる。母親はどこまで知っていたのかわからないけど、いつも黙って見守っていたと思う。